「Linuxサーバー機が欲しい」そんな気持ちを昔から持っていた
先日兄から「PCG-505RS」(骨董品・・・)を奪い取ったのが今回の悲劇の始まりだった・・・
*当たり前のことだがこれは私の環境におけるレポートであり
万人がこのようにすればよいわけではないことを理解して頂きたい



0.今回の使用環境
1.GentooLinuxの導入
2.ネットワークの設定
3.デスクトップ環境構築(KDE編)
4.デスクトップ環境構築(BlackBox編)


0.今回の使用環境

Vaio PCG505-RS(MMX-Pen266MHz RAM64MB)
PCGA-CD51(PCMCIA接続CD-ROMドライブ)
Planex FNW-3800TX(PCMCIA接続NetworkInterfaceCard)


1.GentooLinuxの導入

ディストリビューションは以前から興味のあったGentooLinuxを選んだ
なぜ興味があったのかというと「ネットワークを使って常に最新の状態に保てる」という
Windowsで言うならWindowsUpdateみたいな機能が売りだったからである。

まずはFTPサイトからGentooLinux1.4のLiveCDのイメージをDL、CDに焼き付けた
ついでCDドライブを用いてブートしインストール手引き書を見ながらインストールを・・・

と、ここで問題発生
いくつかのコマンド(fdiskなど)がramディスク上に展開されていない・・・?
これではにっちもさっちもいかない、というか何も出来ない状態である。

これではどうしようもないので困ったときのGoogle先生
先生にお伺いを立てたところどうやら使っているCDドライブ(PCGA-CD51)を使うにはちょっとしたコツがいるらしい
カーネルセレクト時に
boot : gentoo ide2=0x180,0x386
とPCMCIA接続のこのドライブをATAPIとして認識させる(?)必要があるらしい
(もちろん使用カーネルは好みの物を使ってよい)

後はインストール手引き書通りにインストールを進める。
私はStage3+GRP(LiveCD内のコンパイル済みパッケージのインストール)を選んだ
理由は二つ、一つはマシンスペックの低さである。
これについては後述するが、こんなスペックのマシンでコンパイルからするといつ終わるか分からない
もう一つはCD-ROMドライブとNICを両立できない環境(双方PCMCIAスロット使用)だからである。

インストール手引き書を見ながら進める際の注意事項を

・デフォルトエディタnanoについて
多くの場合以下のようなコマンドが書かれていると思う
>nano -w hogehoge.txt
ここで注意したいのが"-w"と言うオプションを必ずつけることである
nanoはデフォルトだと80文字で自動改行を行ってしまうためそれ以上を使用している場合
システムファイルだろうとなんだろうと改行して壊してしまう
これは開発者からの挑戦だ(違
くどいようだが"-w"を絶対に忘れないで欲しい。

インストール手引き書について
このインストール手引き書はGentooLinux1.4の物である。
2004.0用では無いことをまずは注意して頂きたい
2004.0でこの通りやろうとするとどこかで躓く可能性がある
(私を含めた)Linux初心者は1.4を使って書いてある通りにやった方が安全である。

・解像度指定について
PCG505-RSでは1024x768の解像度をエミュレーションでサポートしている
デフォルトの設定のままブートすると右と下が見切れてしまい作業にかなりの支障が出る
ブート時に
boot : gentoo vga=789 ide2=0x180,0x386
などと指定してやればよい(PCのマニュアルで要確認)
以下が解像度指定の数値(インストール手引き書より転載)
640x480 800x600 1024x768 1280x1024
8 bpp 769 771 773 775
16 bpp 785 788 791 794
32 bpp 786 789 792 795

・ブートパーティションのマウントについて
/etc/fstabの編集の段階でお気づきになった方もいるだろう
ブートパーティションを自動でマウントしない設定となっている
このことを頭の片隅にでも入れておいて欲しい。
カーネル再構築時になって慌てないように・・・

・grubについて
多くの人がブートローダーにgrubを選んだと思う
(*注:liloでは書式が違うので気をつけて欲しい)
kernel (hd0,0)/boot/kernel-KV root=/dev/hda3
(*注:kernel-KVは自分の使用カーネル)
と書いたと思われるがこの後ろにide2やvgaといったオプションを足すことが出来る
上でCDROMや解像度について書いたが、これを追加しないと自動認識で罠に落ちてしまう
私の環境では
kernel (hd0,0)/boot/gentoo-2.4.20-r6 root=/dev/hda3 ide2=0x180,0x386 vga=789
とした、PCGA-CD51のサポートと800x600の解像度の指定である。
後はインストール手引き書通りに進めればGentooの世界へと入れるだろう(英訳風)

2.ネットワークの設定

自動認識が成功したりインストール手引き書のネットワーク設定セクションで設定できた人は読み飛ばして欲しい

私がNICにPlanex FNW-3800TXを選んだのは「安価で」「Linuxでの動作実績がある」からである。
そもそもこれが間違いの元だった、簡単には使えないのだ
調べてみると搭載されているのは悪名高きのRealtek 8139cだった。
(*注:Turbolinuxではデフォルトで使えるらしい(?))
皆さんには気をつけて頂きたい、何かを購入する際はきちんと調べよう
さて、またしても困ったときのGoogle先生である。

・realtek_cbというモジュールを導入すればよい
ということが分かった。
まずはこちらから必要ファイルをDLする。
どれが必要かよく分からないので全部DLしてしまった方が良いだろう、後で泣きを見るのは嫌なのである
とは言ってもネットワークに繋がらないから困ってるのにFTPサイトからDLなんて全く・・・
泣き言を言っても始まらないのでFDやCDR、USBストレージなどで何とかマシンに入れよう
HDDに移せたら入れたディレクトリに移動し以下のコマンドを実行する
> gcc -DMODULE -DCARDBUS -O6 -c rtl8139.c -o realtek_cb.o -I /usr/src/linux/include -I /usr/src/linux/include/pcmcia
> gcc -DMODULE -D__KERNEL__ -O6 -c pci-scan.c -I /usr/src/linux/include


そして出来たモジュールをドライバディレクトリにコピーする
>cp reaktek_cb.o /lib/modules/2.4.20-gentoo-r6/pcmcia
>cp pci-scan.o /lib/modules/2.4.20-gentoo-r6/pcmcia

(*注:2.4.20-gentoo-r6の部分は自分の使用環境によって異なる)
次に/etc/pcmcia/configを編集する
>nano -w /etc/pcmcia/config
以下の文を追加
--------ここから--------
device "realtek_cb"
class "network" module "cb_enabler", "realtek_cb"

card "Planex FNW-3800-TX CardBus DirectDock FastEthernet"
version "CardBus", "Fast Ethernet"
bind "realtek_cb"
--------ここまで--------
追加する場所はどこでも構わない(と思う)が似たような文があるところに記述した方がきれいだろう。

編集を終了したら以下のコマンドでpcmciaサービスを再起動する
> /etc/init.d/pcmcia restart
後はインストール手引き書のネットワーク設定セクションを見て設定してやればよい。

3.デスクトップ環境構築(KDE編)

さて、ここまで済んだら次は「デスクトップ環境が欲しい」と多くの人は思うだろう
「サーバーマシンにするのだからCUIで十分」とも思うがやはり使いたい、それが人情って物なのだ(謎
(私を含め)Linux初心者ならKDEやGNOMEなどの統合デスクトップ環境がやはりよいと思われる。
デスクトップ構築ガイドを見ながら進めるのが手っ取り早いですがここで一つ注意
非力なマシンでは統合デスクトップ環境はやめておいた方が良い
重くてWindows98でも使っていた方がマシと思えてしまう
また、コンパイルに異常なまでの時間がかかる
私の場合240時間強
10日も放置してやっと終わったのだ、その結果が重くて使いものにならない
非力なマシンを使っている場合は「軽いと評価されているWM」を使うことをお勧めする

また、日本語サポートされているWMの場合
>USE="nls cjk" emerge hogehoge
(*注:hogehogeは使うWMの名前に変える)
としてやり.bashrcに日本語を使うことを宣言してやればよい(らしい(未確認))
>nano -w ~/.bashrc
--------ここから--------
export LANG=ja_JP.eucJP
--------ここまで--------
後はデスクトップ構築ガイドを見ながら進めれば上手くいくハズである。
残念ながら私はKDEをあまり使っていないのでこれ以上書くことがない
上手く使いこなしているウェブページを参照して頂きたい
(*注:私はALSAとsambはインストールしていないので説明は省略)

4.デスクトップ環境構築(BlackBox編)

3章で書いたとおりKDEは重くて使い物にならなかった
そこで軽いWMはなにかをまたまたGoogle先生に聞いてみた
本当にたくさんのWMがあり、一長一短と言ったところなのだろう
私がその中でBlackBoxで選んだのははっきり言って「名前」である
パソコンなんて言う訳の分からない箱を動かす上でこれ以上の名前はない
(*注:私の主観であり他意はない)

ありがたいことにBlackBoxに関してもebuildが作られているので
>USE"nls cjk" emerge blackbox
>commonbox-menugen

としてやるだけでいとも簡単にインストールできてしまう
Gentooではcommonbox-menugenとしてやらないと全くの初期状態で起動してしまうらしい
寝る前にコマンドを打ち、起きたら終わってしまっていたので正直拍子抜けした
KDEの地獄はどこへやら・・・
もちろん要する時間が短いということは「余分な物は何もない」ということなので
必要と感じる物は自分で調達しなければならない

まずはBlackBoxを自分のXとして指定してやる必要がある
>nano -w ~/.xinitrc
とし
--------ここから--------
blackbox &
--------ここまで--------
と記述する、これで
>startx
でBlackBoxを起動できる、試しに起動してみると
非常に質素な感じだが結構おしゃれなWMが立ち上がるだろう
右クリックメニューから端末を立ち上げてみたりして軽さを実感して欲しい
終了するときは右クリックメニューからExitを選ぶとコンソールに戻れる

ここからは最低限しなければいけないmenuのカスタマイズである
まずは下準備としてディレクトリを掘る(.blackboxとするのが一般的なようだ)
>mkdir ~/.blackbox
次にデフォルトのメニューファイルをコピーしパーミッションの変更を行う
>cp /usr/share/commonbox/menu ~/.blackbox/
>chmod 644 ~/.blackbox/menu

そして.blackboxrcを編集しメニューファイルを指定してやればよい
(*注:現在/usr/share/commonbox/menuと指定されているのを書き換える)
>nano -w ~/.blackboxrc
--------ここから--------
session.menuFile: ~/.blackbox/menu
--------ここまで--------

後はメニューファイルの編集である
>nano -w ~/.blackbox/menu
とし、以下の例のように使いたい物を書き込む
--------ここから--------
[submenu] (net)
   [exec] (hogehoge) {hogehoge --hogehoge}
[end]
--------ここまで--------
submenu内に[exec] (名前) {コマンド}
と書くことにより右クリックメニューから簡単に呼び出せるようになる


以上が非常に簡単ではあるがGentooLinuxの導入である
ここから先は自分の環境をどうしたいか、何をしたいかによると思う
ここに来ている皆さんは多分検索等でたどり着いたと思われるので大丈夫と思われるが
分からないことがあったら調べる、これが上達への近道だと私は思っている。
非常に読みにくい文章になってしまったのでそのうち書き直したい・・・カモ

また、間違いなどにお気づきの際はこちらまで知らせて頂ければ幸いです

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